製造工程

                    「らんびき」の場合

 

1,  「製麹」 

 

 まずは米を原料に麹造りから製造が始まります。洗米、浸漬、蒸しを行い、適温まで放冷した後、麹菌の種付けをします。

 

 

2,  「盛り」 

 

 種付け後、一昼夜経過した翌朝、こうじ棚に盛り、更に一昼夜、温度管理を続けながら麹を育てます。

 

 

3,  「酒母」 

  酵素の力を充分に出せるまでに育った麹をタンクへ移し、水と酵母菌を加えて酒母(1次モロミ)をつくります。1次モロミ中では麹由来の糖化酵素が米の澱粉質を糖化させ、生じたブドウ糖を酵母菌が消化分解しアルコール発酵が始まります。この間、酵母菌は増殖を続けます。

 

4,  「2次仕込み」 

 

1週間後、発酵中の1次モロミを2次仕込みタンクに移しそこに水と主原料である大麦を蒸して加えます。麦の澱粉質は同じく糖化され、酒母で充分に増殖した酵母の力で力強いアルコール発酵が始まります。

5,  「蒸留」 

 

約2週間で発酵、熟成を終えた二次モロミを単式蒸留器で蒸留します。

 

 

6,  「貯蔵」 

 

蒸留によって製成した44度以上の焼酎原酒は、3~15年以上の永い熟成期間に入ります。

 

 

7,  「ブレンド」 

 

熟成期間を終え、永い眠りから覚めた原酒は、貯蔵容器や環境の違いによってさまざまな味と香りを持つ原酒に育っています。それらの個性溢れる原酒をバランスよくブレンドします。

 

 

8,  「ビン詰」 

 

ブレンド、精製され完成した焼酎はビン詰し出荷を迎えます。

 


【仕込み配合について】

 

原料は、麹(1)に対して主原料(2)の割合で仕込みます。

 

① 米麹 : ・・・ 「らんびき」、「古久」 etc...

 

② 麦麹 米 ・・・ 「福徳戎」

 

③ 麦麹  ・・・ 「けいこうとなるも」

 

この他、麦麹のみでの「全麹仕込み」も行っています。

 


【蒸留方法について】

  常圧蒸留機
  常圧蒸留機

 常圧蒸留

 

通常の大気圧で蒸留を行う、昔からある伝統の蒸留方法です。90度以上の高い温度で蒸留を行うため、原料由来の風味が色濃く反映され、濃厚な味わいを持つ原酒ができます。貯蔵・熟成をしたときの変化も大きいため、当蔵では約8割の原酒をこの常圧蒸留法によって製造しています。

 

  減圧蒸留機
  減圧蒸留機

② 減圧蒸留

 

蒸留釜の中の気圧を下げられる蒸留機を用います。圧力を下げたことで、沸点も下がり、40~60度の比較的低温で蒸留を行います。このことで、アルコールの他、低沸点の香気成分のみを取り出すことができ、香りが上品で軽やかな味わいの原酒が得られます。


【焼酎粕】

蒸留を終え残った廃液(焼酎粕)は、当蔵の場合は乳牛の飼料になっています。牛も好んで飲み、乳の出方も良くなるということで喜ばれています。このような飼料化が一番のリサイクルとの考えのもと、今後も継続できるよう取り組んでまいります。